「ノイズが無い」
これは、僕が約一年間のアジア放浪を終え、帰国した際に感じた 日本に対する印象だ。僕が言う「ノイズ」とは違和感や不安感、 不思議なモノや異様なモノに対する不協和音的感覚を指す。
これは、僕が約一年間のアジア放浪を終え、帰国した際に感じた 日本に対する印象だ。僕が言う「ノイズ」とは違和感や不安感、 不思議なモノや異様なモノに対する不協和音的感覚を指す。
安心・安全が行き届いた日本では、安定と秩序を求め社会からノイ ズを排除している様に見えてならなかった。好奇心と興味が惹か れる世界を探すと、どうしてもノイズが僕には必要な気がした。
そこで僕は単純な思考回路ではあるが、新宿西口に向かいホームレスと呼ばれている人たちに会いに行くことにした。日本で感じる数少ないノイズ現場。 彼らを都市型狩猟採集生活者だと、ある作家が表現している様に、 3.11以降特に僕も彼らに対し、お金を含め最低限度の所有物で生 きる知恵を持った実践者として敬意を持って見ている。
そんな彼らと同じ目線で座って話す。彼らの考えや主張は表現者の様に見えた。彼らと同化していると、フッと不思議な感覚に陥った。『果たして周りの人には僕らが見えているのだろうか?』と。駅前を行き交 う数百、数千の人の流れに目を向ける。すると誰とも全く目が合 わないことに気付く。こんなにも存在感があるホーレスと呼ばれる人たちを見てはいけないモノかのように、存在すらしていないかの様に。僕たちはその瞬間、誰にも見えない「透明人間」になっていた。
そんな新宿に集まる『透明人間』たちを撮影させてもらった。





















